「~している」ってまぎらわしい
言葉っていうのはあいまいさがありますよね。
どっちにでも考えられる表現っていうのがあって、普段の会話ではそのような表現を、その場の様子や文脈から自然に判断しています。
当たり前にやっていることですが、実はスゴイことですよね。
しかし、これが文として書かれると判断の難易度がちょっとだけ上がります。
「どっちだよ!」とツッコミたくなることも少なくありません。
例えば、こんな文
「私は公園を走っています。」
どんな意味で捉えたでしょうか?
よく考えれば、2通りの意味で捉えられるのではないでしょうか?
ハッキリさせるために、ちょっと工夫してみます。
「私は今、公園を走っています。」
「私は毎日、公園を走っています。」
このようにしてみると、どちらも「走っています」と書かれていても、意味は全く違ってきます。
前者「私は今、公園を走っています。」は、走るという動作の最中であることを表していますね。
今、まさに走りながら話している感じです。
それに対して後者「私は毎日、公園を走っています。」は、日常的な習慣を表していて、今まさに走っている最中であることを表しているわけではありません。
このように「~している」は動作の最中を表すことも、日常的な習慣を表すこともでき、「今」とか「毎日」といった言葉がないとあいまいな表現になってしまいます。
現在進行形=「~している」で良いのか?
このような言葉のあいまいさが問題になってくるものの1つが、英語で学習する現在進行形の文です。
現在進行形の意味は「~している」とか「~ています」と学習することが多いのですが、その結果として以下のような間違いが頻出することになります。
「私は犬を飼っています。」
〇「I have a dog.」
×「I am having a dog.」
「犬を飼っている」というのは、一時的な動作の最中ではなく、日常的な状態です。
よって、「~ています」と書かれていても現在進行形ではなく、現在形で表されます。
にもかかわらず、現在進行形=「~ています」にとらわれ過ぎて、現在進行形で表してしまう人がいます。
また、「私は公園を走っています。」の場合は、
「私は今、公園を走っています。」=「I am running in the park now.」
「私は毎日、公園を走っています。」=「I run in the park every day.」
となります。
このように日本語訳が「~ています」となっていても現在進行形であるとは限りません。
現在進行形をどのように理解するか。
現在進行形を「~ています」と覚えてしまうと、上記のようなミスをしてしまうことになります。
では、どのように理解すればよいのか?
それは現在進行形が「動作の最中・途中であること」を表していると理解することです。
そうすれば「~ています」という日本語訳に惑わされることなく、適切に現在進行形を使うことができるはずです。
では、最後に以下のような会話を考えてみます。
「ダイエットしようと思ってるんだけど、あなた何かしてる?」
「ああ、ウォーキングしてるよ。」
この会話の場合は、「動作の最中・途中」で話している内容ではありませんね。
「動作の最中・途中」だとすれば、今まさにウォーキングしている最中ということになり、「何かしてる?」という質問は成り立ちません。
よって、これらの文は現在進行形ではなく、現在形で表すのが適切です。
現在形と現在進行形を使い分けるために、現在形は「いつもの状態や習慣」、現在進行形は「動作の最中・途中」と理解してください。