平均だけが目安じゃない
文部科学省が2021年度に実施した調査で、公立小中学生と私立小中高生の授業料や修学旅行費、学校納付金、塾などにかかった学習費が過去最高になったことがわかりました。
それによると学習費の1年間の平均は公立の小学生で35万2566円、公立の中学生では53万8799円でした。
これを見て、「1年間にこれくらいの金額がかかるのか…。」と考えるのは少し早いかもしれません。
なぜなら、平均というのは、あくまでも不揃いなデータをならしたものでしかなく、実際の傾向や真ん中を示した値とは限らないからです。
参考にならない平均
アメリカのワシントン州で独身男性の平均資産が500万円ほど増えたということがありました。
どうして、そのようなことになったのでしょうか?
まさか、すべての独身男性の収入が急に500万円増えたということなのでしょうか?
そんなわけはありません。
正解は何と、「ビル・ゲイツが離婚したから。」です。
莫大な資産を持つ人物が離婚したことにより、平均値が一気に上がったわけです。
このように、平均というのは非常に大きかったり小さかったりするなど、他の数値から見て極端な数値がある場合、その数値の影響を強く受けてしまいます。
これでは、平均を見て全体の状況を把握することが難しくなります。
平均に一喜一憂しない
学校のテストでも模擬試験でも必ず平均点が出されます。
そして、自分の点数と平均点と比べてテストの良し悪しを判断している人も多いと思います。
そのなかで勘違いしやすいのは、「平均より上だから、真ん中より上だろう。」ということです。
しかし、平均は不揃いなデータをならしたものでしかなく、真ん中を意味しているわけではありません。
そのため、平均程度の得点を取ったとしても、順位としては下半分に入っている場合もありますし、上半分に入っている場合もあります。
大事になる値は目的によって異なります。
例えば、受験の合否を考えるのであれば、大事なのは自分の順位が定員以内に入っていることです。
平均はわかりやすい目安ですが、それより上だ下だと一喜一憂するのではなく、自分にとって必要な情報が何なのかよく考えるようにしてください。