だからこそ計算練習
数学を苦手としている生徒の定番の言い訳として、「こんなこと何の役に立つの?」というのがありますね。
学生時代、そんな風に考えていた人も少なくないと思いますし、今でもそう考えている人もいるでしょう。
そのような人にとって数学とは、計算方法を覚えて、それに当てはめて答えを出す教科になってしまっています。
しかし、数学を学ぶ目標はそのようなものではありません。
数学を学ぶ目標とは
数学を学ぶ目標とは何なのか。
中学の学習指導要領には以下のように書かれています。
- 数量や図形などについての基礎的な概念や原理・法則などを理解するとともに、事象を数学化したり、数学的に表現・処理したりする技能を身に付けるようにする。
- 数学を活用して事象を論理的に考察する力、数量や図形などの性質を見いだし統合的・発展的に考察する力、数学的な表現を用いて事象を簡潔・明瞭・的確に表現する力を養う。
- 数学的な楽しさや数学のよさを実感して粘り強く考え、数学を生活や学習に生かそうとする態度、問題解決の過程を振り返って評価・改善しようとする態度を養う。
また、さまざまな本やネットの情報などでは「論理的思考力を育む。」とよく言われますし、抽象化なんてことも言われます。
いずれにしても、計算方法を覚えて、それに当てはめて答えを出すことは数学を学ぶ目標でも本質でもありません。
だからこそ計算練習!
大まかには、数学を学ぶ目標は考える力を育むことと言えそうです。
それならば、計算すること自体はそれほど大切ではないように思えます。
計算問題をたくさん解いたからといって思考力が養われるかと言われれば、それは疑わしいですね。
にもかかわらず、問題集でも宿題でも計算問題がたくさんあります。
なぜ、これほどまでに本質ではない計算問題を練習しなければならないのか。
それは本質的な勉強に集中して取り組めるようにするためです。
計算するという本質的ではない部分を素早く処理できることで、思考力を育むような文章問題や応用問題に取り組む際に、問題を理解し、解き方を考えることに集中でき、本質的な勉強の質を大きく上げることができるのです。
だからこそ、計算練習は手を抜かずに積極的に取り組むようにしてください。