教えるつもりで解いてみる
どうせ勉強するのであれば、少しでも効果的に勉強したいですよね。
効果的な勉強法の1つは、他人に教えることだそうです。
他人に教えるときは自分が理解している内容を一つひとつ確認し、噛み砕いて説明する必要があります。
そのため、教えることによって理解を深めることができるとともに、自分が何を理解できていないのかを知ることができます。
教えることの学習効果
教えることによる学習効果はさまざまな研究や本で述べられています。
例えばラーニング・ピラミッドがあります。
これには懐疑的な見方もありますが、学習法と学習定着率の関係を表した図で、アメリカ国立訓練研究所より発表された研究結果です。
それによると、受動的な学習よりも能動的な学習のほうが効果が高く、その中でも最も効果が高いのは他人に教えることだとされています。
また、ロンドン大学の研究では「終わってからテストをします。」と伝えてから勉強してもらうよりも、「終わってから他の人に教えてもらいます。」と伝えてから勉強してもらったほうがテストの得点が良かったそうです。
つまり、教えることを意識して勉強することで、より効果的に勉強することができるわけです。
ラバーダック・デバッグとは?
実際に他人に教える機会というのは、なかなかありませんね。
また、教えることを意識して勉強しようとしても、相手がいなければ難しいと思います。
しかし、常に相手がいるとも限りません。
仮に相手がいたとしても、少し恥ずかしい。
そこでラバーダック・デバッグです。
ラバーダック・デバッグとはプログラミングの世界で使われる問題解決方法の1つで、自分が書いたプログラムをアヒルの人形などに説明することで問題を解決するというものです。
言葉にして説明することで問題が整理されるんですね。
これを勉強にも活用することで、教えることを意識して勉強することができ、学習効果を高めることができます。
別にアヒルの人形である必要はありません。
家にある人形やぬいぐるみなどをそばに置いて、それを教えてあげるつもりで勉強してみましょう。
具体的には…
読みながら教える
知識がなければ問題に取り組むことはできないため、勉強の第一歩は知識をインプットすることです。
その際にもラバーダック・デバッグが役に立ちます。
教科書や参考書で知識を覚えようとするとき、ただ読んでいるだけではあまり集中できないと思います。
つい読み飛ばしてしまうこともあるでしょう。
しかし、隣に置いた人形に説明しながら読んでいけば、一つひとつの文の意味を考えながら読むため、読み飛ばしてしまう心配もなくなります。
また、インプットと同時にアウトプットも行うため、ただ読むよりも頭に残りやすくなります。
解きながら教える
問題を解くときにもラバーダック・デバッグが役に立ちます。
まず、隣に置いた人形に説明しながら問題文を読めば、自然と問題内容は整理され、スムーズに解き始めることができます。
「勉強が苦手だ。」という人の中には、問題の把握が雑であるために解くことができない人が少なくありません。
そのため、説明しながら読むだけで解けるようになるかもしれません。
さらに、どのように問題を解いたのかを説明することで、間違いに気づきやすくなります。
これはテストで答えを見直しするときも有効ですので、上手に利用してほしいと思います。
そして、丸付けの際も解答解説を説明することによって、自分の理解不足が自覚できます。
理解不足を自覚できれば、「何がわからないかわからない。」ということがなくなり、復習もしやすくなります。
思い出しながら教える
記憶は睡眠中に整理されると言われています。
ということは、眠る前にその日の学習内容をまとめることで、それが最新情報として整理され、記憶に残りやすくなります。
しかし、机に向かってその日の学習内容をまとめるのは少し大変ですね。
そこでラバーダック・デバッグを活用します。
お風呂に入っているときや布団の中で、その日に勉強したことを人形に話してあげる。
これであれば、わざわざ眠い目をこすってノートを開く必要はなく、気軽にその日の勉強を振り返ることができます。