最後は気持ちの勘違い
スポーツ選手の試合後のインタビューや試合前の記者会見を聞いていると「最後は気持ち」というようなことをよく言っています。
確かにその通りなのかもしれません。
しかし、それは気持ちがあれば何とかなるというようなことではありません。
高校入試に挑む中学生には、その辺を勘違いしている生徒が少なくないように思います。
気持ちの勝負になるのはどんな場面か
とあるテレビ番組で出演している芸人さんが、剣道強豪校の監督から「ベスト4くらいになると実力が同じくらい。そうなるとあとは気持ちの勝負なんだ」と聞いたと話していました。
番組の中では「やっぱり気持ちが大事なんだ。俺たちもがんばらないとな」という流れで進行しました。
しかし、ここで注目すべきなのは「ベスト4くらいになると実力は同じくらい」の方だと思います。
「ベスト4くらいになると」と言っているということは、ベスト8までは実力差があり、実力が下の相手であれば、相手がどれだけ気合を入れようとも、絶対に負けないということを意味しています。
ここから読み取れるのは、気持ちが重要になるのは実力が同程度の場合であって、いくら気持ちがあっても実力差は埋められないということです。
気持ちというのは決して実力が劣っている部分を穴埋めするものではないのです。
気持ちよりも実力をつけることが重要
試験本番になれば当然、気持ちも大切になります。
しかし、実力で負けていては元も子もありません。
つまり、気持ちの勝負になるのは、それまで一所懸命努力した結果であり、何の努力もしないで試験当日だけ気合いを入れてもダメなのです。
「最後は気持ち」の「最後」というのは、その時が来たらということではなく、できる限りの努力をして、もうこれ以上はできることがないという状態が「最後」ということです。
自信をもって頑張ったと言える状態でなければ、気持ちを語っても意味がありません。
そして、合格するために十分な実力が身についていれば、普段通りに問題に取り組むだけで合格できます。
特別に気合いを入れる必要などありません。
むしろ、余計な力が入ってしまったり緊張してしまったりして、実力が発揮できなくなることもあります。
志望校の合格に必要な偏差値は調べればすぐにわかります。
模試を受ければ自分に不足しているものがわかります。
最初から気持ちを頼りにするのではなく、合格に必要な実力を身につけることを目標に日々の勉強に励んでください。