アッチが上がるとコッチが下がり…
中学3年生になると模擬試験を受ける機会も増え、学校でも実力テストが毎月のように実施されます。
そして、その都度結果が出て、合否の可能性だけでなく、自分の苦手なものも明らかになります。
模擬試験では、その結果をもとにしたアドバイスが書かれているのが普通です。
上手く取り入れて勉強できればよいのですが、それに振り回されてしまう人もいます。
アッチが上がるとコッチが下がり…
模擬試験において、特定の教科の点数や偏差値が低かったりすると、それをどうにかしなければいけなくなります。
例えば、理科の偏差値だけが合格基準に到達していないような場合、あとは理科さえなんとかすれば合格できるはずです。
そこで理科に重点を置いて勉強を進めていきます。
そして、次の模擬試験で理科の成績が上がり、他の教科が前回と同じくらいであれば見事、合格判定を勝ち取れるわけです。
しかし、必ずしもそうなるとは限りません。
特定の教科に重点を置きすぎたために、他の教科の成績が下がり、5教科での結果は結局、前回と同じくらいになってしまうことも少なくありません。
特に理科と社会が…
上記のようなパターンにはまりやすいのは、理科と社会です。
社会の勉強をがんばりすぎて、数学や英語の成績が下がったということはあまりないように思います。
その原因は主に2つです。
1つは理科の勉強時間を増やそうとすると社会の勉強時間を減らし、社会の勉強時間を増やそうとすると理科の勉強時間を減らしてしまうからです。
理科もしくは社会の勉強時間を増やそうと思うと、国語・数学・英語は主要教科というイメージが強く、それらの勉強時間を減らすという考え方にはなりにくいです。
もう1つは理科・社会と国語・数学・英語とでは、積み重ねの重要さが異なるからです。
国語・数学・英語は積み重ねが非常に重要な教科なのに対し、理科・社会はそれらほど積み重ねが重要になる教科ではありません。
例えば、理科の天気の単元を学習するのに生物の単元を理解している必要はありません。
このように理科と社会は積み重ねが不要な単元も多いため、勉強時間を増やせば成績が上がりやすい教科であるとともに、少し手を抜いた途端すぐに成績が下がってしまう教科でもあります。
勉強時間は減らさない!
特定の教科の勉強時間を増やしていくことは、成績を上げるためには必要なことです。
だからといって他の教科の勉強時間を減らしてはいけません。
結局、5教科トータルでの偏差値が上がらなければ意味がありません。
特定の教科の勉強時間を増やそうと思ったら、他の教科の勉強時間を減らしてトータルの勉強時間を維持しようとするのではなく、トータルの勉強時間を増やすと考えてください。