デジタルに頼り過ぎない勉強を
教育のデジタル化が世界的に進み、デジタル機器を利用して勉強する機会が、ますます増えてきています。
2025年度から中学校で使用されている教科書では、QRコードを学習用端末で読み取って利用できるデジタル教材が大幅に増え、ページ数が減少しています。
また、市販の問題集や参考書でもページの隅にQRコードがあり、動画で問題の解説の見ることができるものが増えています。
これらは便利である反面、「試行が積み重なっているように見えない。」「考えずに適当に答えを選んでいる。」などという意見もあるようです。
また、デジタル機器を使うほど学力が下がるという話もあります。
デジタル教材はデジタル機器があれば、場所や時を問わずに勉強することができ、学習機会を増やすことができる反面、「なぜそうなるのか。」と突き詰めて考える深い学びにはつながっていないようです。
脱デジタル化する国も
フィンランドでは最近まで、11歳を迎えた児童生徒にノートPCを無償で配布していましたが、近年、フィンランド全土で学習成果が徐々に低下しているのだそうです。
そんな中、ノートPCやタブレットではなく、ペンと紙を使った学習に回帰し、デジタル機器を利用を減らそうとしている町も出てきました。
他にもIT先進国のスウェーデンでは児童の読解力が年々低下するなど基礎的な学力が低下しており、その原因が教育のデジタル化にあるしています。
これを受けて、スウェーデン全土の学校では印刷された本や静かに本を読む時間、手書きの練習に重点が置かれるようになり、デジタル機器に割く時間が減らされました。
このように海外では、教育の脱デジタル化という流れも出てきています。
デジタルに頼りすぎない勉強を
身近なところでは、教科書も市販の問題集もデジタル教材が増えていますが、先行してデジタル化を進めていた海外では、デジタル教材のネガティブな面も判明し、昔ながらの紙とペンを使った学習に回帰しようとする流れも見られます。
そのことを考えると、デジタル教材に頼りすぎるのは危険かもしれません。
デジタル教材は英語の発音を聞くことが出来たり、理科の実験を動画で見ることができたりするなど、紙の学習よりも優れた面もあります。
しかし、一度再生ボタンを押してしまえば、特に集中しなくても勝手に流れていってしまうものでもあり、じっくり考え、学習内容を深く学ぶには不向きかもしれません。
よって、デジタル教材に頼りすぎず、紙とペンと使った勉強も大切にしてほしいと思います。